大阪といえば、“たこ焼き”というくらい、“たこ焼き”はたくさんありますが、そもそも“たこ焼き”はその場で食べるもので、手土産や贈り物には向きません。もうひとつの名物、大阪寿司にしても、生物という食べ物の性格上、同じことが言えます。
じゃ、大阪には“おいしい食べ物はないのか”というとそんなことはありません。実際、昼ごはんのレベルの高さは特筆ものです。某全国展開飲食チェーンのキャッチフレーズ風に言えば、“早い・安い・おいしい”です。
某チェーンが“早い・安い・おいしい”というよりは、“早くて安いからまずい”のが実態なのに対して、大阪の昼ごはんは、どこで食べても“600円もあれば結構なものが、ご飯お代わり無料で、しかもあっという間に出てきます。
私が、大阪に来てから“この店まずいから二度と来ないと思った店”は数えるほどしかありません。その“数えるほどまずい店”は全て“まずい店はすぐつぶれる”という大阪の格言通り、まもなくつぶれました。 昼ごはんから考えても、大阪の食のレベルの高さは、特筆すべきものがあると思います。
兵庫出身のコラムニストの勝谷誠氏が、ある雑誌で、“東京からたまに大阪にくると、いつも感じることは昼飯が圧倒的にうまいこと”と書いているように“食い倒れの町大阪”は健在のようです。
このように、“食のレベルの高い”大阪になぜ、気の効いたお土産がないのか不思議です。東北の仙台の“荻の月”、鎌倉の“鳩サブレー”、東京(というより埼玉か)の草加せんべい、福岡の明太子、といったように地名を言えば“あれをお土産に買っていこう”と誰でも思い浮かぶような“定番のお土産”が大阪にはありません。
同じ関西でも、神戸なら“神戸牛”や“洋菓子”、京都なら色鮮やかな“京菓子”、“大安漬け”をはじめとした漬物、京野菜等、お土産に事欠きません。
それに対し、場所柄お土産品が多い新大阪駅の売店には、大阪のお土産としては、“タイガース”ブランドの商品かお持ち帰り用のたこ焼きくらいが目に付く程度です。中華フードの蓬莱551は人気がありますがどちらかというと家族のためのお土産には向きという感じです。
日本で一番商売が上手いとされる大阪で、誰でも買いたくなるような“気の効いた手土産”がないのは不思議でなりません。
いっそのこと、大阪の経済活性化のため、新しい“お土産”を開発したらどうでしょうか。鳩サブレーをもじって、蛸の形をした蛸サブレーとか、通天閣煎餅とか、関東の人間には受けると思うのですが・・