実際、大阪人にたずねると”全く面白くないということはないけど、何かお笑いのセンスが違う”という答えが返ってきます。
大阪の番組をみていると、朝のワイドシヨーからゴールデンタイムの番組まで吉本所属のタレントが切れ目なく出演しています。そのためか、私にとっては、関西系のTVで制作されたどの番組も”お笑い番組”に思えてしまいます。
大阪と東京では、そもそも”お笑い”に対する位置づけが異なるようです。東京の番組では、ワイドショーのような普通の番組に”お笑いタレント”が出演することは、あまりないですし、出演しても”よそ行きのキャラクター”で振る舞います。
東京では”これはお笑い番組、これは真面目な番組”と区分がはっきりしているのに対し、大阪ではお笑い番組とそれ以外の番組との敷居が低いようです。
また、大阪の番組を見ていて驚くのは、例えば大阪の日本一長い天神橋筋商店街でタレントが行き当たりの”大阪のおばちゃん”に突然、マイクを向けても恥ずかしがるどころか、たじろぎもせず面白いことを言ったり、タレントに向かって”あんたTVで見るよりいい男だ”等、タレントばりの反応をする人が多いことです。東京では、突然、マイクを向けられると恥ずがる人が多く、しゃべっても気の利いたことをしゃべれる人は少ないのですが・・・・
大阪では、お笑いは吉本のタレントや落語家に笑わせてもらうだけではなく、場合によっては、自らが”笑いの発信地となり周囲を楽しませるという文化があるのかもしれません。
東京では、”お笑い”はもっぱら”落語家や漫才師に笑わせてもらうもの”という位置づけです。東京の代表的なお笑い番組、笑点の人気が大阪で振るわないのは、”お笑いに対する距離感”が東京と大阪では違うからかもしれません。